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華のしずく~あなた色に染められて~

第22章 【夕桜~華のしずく~】其の壱~飛花~

 だが、敵は意外なほど早くに奥深くまで侵入していたのである。時治が決死の覚悟で守っている方とは全くの逆方向になる寝所の襖が突然、ガラリと音を立てて開け放たれ、敵兵がなだれ込んできたのだ。数人の兵たちは次々に秀吉に向かって斬りつけてくる。
 秀吉はニヤリと唇の端を引き上げた。
「ホウ、俺に向かってくるとは、生命知らずの奴めらよの」

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