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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

―・・・。
 信成は激しく首を振った。
―叔父上、私は城主の地位なぞ欲しいと思うたことは一度たりともない。叔父上が望まれるのであれば、いつでも譲り渡しましたものを!
 何故、このような仕儀に及んだのか、信成は口惜しかった。時房は痛みに顔をしかめながらも、笑顔を見せようとしているようだった。

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