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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

―叔父上―。
 それでも、信成は名を呼ばずにはおれなかった。己れを殺そうとしても、幼い頃より優しく彼を教え導いてきてくれた父とも慕う男であったのだ。この期に及んでも、彼が自分に刃を向けたということがまだ信じられず、悪い夢を見ているようですらあった。

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