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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

 時房は背中から夥しい血を流しながら、庭に転がり落ちた。折しもその日は朝から雪が降り続き、真邊家の庭にも白い雪が積もっていた。時房の紅い血が純白の雪を鮮やかに染めた。それは雪の庭にひっそりと佇む真紅の椿の花の色にも似ていた。

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