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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

―叔父上。
 時房を取り押さえたまま、何かの痛みに耐えるような表情を信成がしたときのことだった。その刹那、信成の気の緩みにより、ほんのわずかの隙が生じた。時房はその好機を見逃さず、信成がほんの心もち手から力を抜いたのを機に、信成の手から再び刀を奪い返し、彼に向かっていった。

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