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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

 思わず耳を覆いたくなるような嘲りの言葉は続く。
―あの女もこの子どもと同じような眼をしておった。悪魔の子を生んだ魔女よ。
―かか様のことを悪く言うな!
 どんな酷い仕打ちや言葉にも耐えたが、大好きな母のことを悪く言われるのだけは許せなかった。悔しさに叫ぶと、定子は美しい眉をなおいっそうひそめた。
―おお、怖い。南蛮人の女郎を母に持つ子、流石に氏素性が知れるというものじゃ。

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