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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

 千都は商人の娘のようであった。父が伴天連の世話をしているというのは、大方、その生活の支援をしているのだろう。はるかな異国での布教活動は資金面でも苦しいものがある。庇護者がなければ、絶対にできないことだった。物心つく前から自然に基督教に親しみ馴染んでいき、千都は切支丹になったに相違ない。
「父御も切支丹なのか」
 問えば、当然のように頷く。
「はい、父も熱心な信徒です」

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