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華のしずく~あなた色に染められて~

第16章 【夢のなか~華のしずく~】 光の祈り人

 町外れに屋敷を与えられ、秀吉は母と共にひっそりと暮らしていた。秀信の母への寵愛は厚く、秀信は時折屋敷に訪れていたのだが、元々身体が丈夫でなかったのか、母は秀吉が五歳のときに亡くなった。母の死後、秀吉は城に引き取られた。が、定子は秀吉を徹底的に憎んだ。定子にしてみれば、自分の生んだ三人の息子たちの立場を万が一秀吉が脅かさぬとも限らぬと思っていたのだろう。

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