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華のしずく~あなた色に染められて~

第2章 二

「あれは忘れもせぬ、わしが十七の冬のことであった。その叔父上がひそかに謀反を企んでいると密告してきた者がいた。わしはそんな馬鹿げた注進なぞ端から信じる気もなかった。だが、その者は申したのじゃ。自分は確かに叔父上の此度の謀反の計画に加わって、その一部始終を聞いたと、な。されば、その者の申すことを信ずるがどうかはともかく、叔父上の誘いに絶対に乗るなとも申した」

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