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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 今宵、秀吉から三度めのお呼びがあった。
 どれほど拒んでも、また数日前の夜のように、明子は秀吉に組み敷かれるのだろう。あの行為には、ひとかけらの情もない。ただ欲望のままに、いや、欲望すらなく、ただ惚れた女への報われぬ想いを晴らすための代償として明子の身体を求めるにすぎない。

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