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華のしずく~あなた色に染められて~

第11章 【紫陽花~華のしずく~】二

 傍らの紫檀の丸机からおもむろにグラスを取ると、秀吉はひと息に葡萄酒を飲みほした。
先夜と異なり、銀盆には酒の入った少し大きめの瓶もある。秀吉は一人でその瓶から空になったグラスに酒を注いでは飲んだ。その様子は、いつになく投げやりに見える。このいかにも剛胆そうな自信に溢れた男が自暴自棄な姿を人前で見せることは極めて珍しいことであった。

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