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「我が生命と引き替えに、珠々だけは助けて欲しいと羽柴に願い出たのじゃ」
　その刹那、珠々は息を呑んだ。
「殿、それは―」
　何か言おうとする珠々には頓着せず、信成は淡々と続ける。
「珠々、そなたは生きよ。わしの分まで生き長らえてくれ。わしは、そなたにこの佐竹氏の行く末を託す」
「さようでござりましたか」
　貞親が納得したように深く頷いた。