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華のしずく~あなた色に染められて~

第4章 【華のしずく】~試練~

「何とも、情けなき有り様よ」
 半ば自嘲気味に力無い笑いを刻む信成に、珠々は激しく首を振った。
「ご無事で何よりでごさいます。勝敗は時の運、しかもまだ我が軍が負けたと決まったわけではござりませぬ。どうか、お気持ちを確かにお持ちになって」
「そなたは強くなった―、いや、元々、わしがここへ連れ参ったときから、そなたは強かった。思えば、わしは、その強さに魅かれたのやもしれぬ」

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