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華のしずく~あなた色に染められて~

第27章 【月華-月姫(TSUKIHI)-~華のしずく~】幻の蝶

 月姫は瞬時に悟った。これは、定子からの最後通告に相違ない、と。これ以上、秀信と拘わり合えば、千手丸の生命を奪うと定子は暗にほのめかしているのだ。
 恐らく、屋敷の内に定子への内通者が潜んでいるに違いなかった。
 月姫は、このことを秀信には絶対に知らせぬようにと老医師に幾度も念を押した。

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