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華のしずく~あなた色に染められて~

第26章 【月華―月姫(TSUKIHI)―~華のしずく~】 月華

 やがて、母は二人の娘を連れてこの女郎屋の門を叩いた。南蛮人の女は珍しいということで、女郎屋の主は母を女郎として抱え、月姫は下働きとして雑用をすることになった。妹はまだ乳呑み子であり、働き手にはなり得なかった。そんな赤子を連れた、この国の言葉もろくに喋れぬ女を雇ってくれただけでも良かったのだ。

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