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「秀康は三河でうまくやっているのでしょうか」
　ふと寧子が洩らした呟きに、秀康は頷いた。
「時折義父上のおん許に文が参るそうですが、こ度、松平家の当主勝久殿が亡くなられたとかで、秀康が跡目を継いだそうにございます。あやつは昔から見かけは乱暴者ではございますが、根はけして悪くはござりませぬ。きっと良き領主となりましょう」
「ならば良いのですが」