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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

「まるで子どもだな」
 帝は笑いを含んだ声で揶揄するように言いながら、ますます強い力で抱きしめてくる。
 そのあまりの力の強さに、公子は思わず顔をしかめる。
「痛い―」
 身体に回された手は一向に緩まない。痛いほどに強く抱きしめられ、公子は小さな呻き声を上げた。

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