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ショートラブストーリー

第5章 遥(はるか)

私が浴室へ入ったとき、池上くんは背を向けて浴槽にいた。

「…くつろいでるね」

「せっかくシャワーでお湯張ってくれたから。ちょっとぬるめだけど」

何か意地悪な口調だなぁ…。

「じゃ、お湯足そうか?」

いたずら心が湧いて、ちょっとだけ高めの温度でシャワーを出すと、池上くんに向けた。

「熱っ!!何するんだよ!!」

池上くんがこっちを見て…浴槽の縁に頭を凭れさせた。

「ちょっと期待したのに…バスタオル、巻くかぁ?」

「だ、だって!!」

何か妙に気恥ずかしかったんだもん!!

「池上くんのエッチ!!」

シャワーを池上くんに向ける。

「うわ!!だから、熱いんだって!!」

池上くんが浴槽から出て、シャワーから逃げる。

そんな池上くんを追いかけるようにシャワーを向けようとすると

「もう、終わり!!」

池上くんがシャワーを持ってる私の手を壁に押し付けた。

シャワーを止めて、壁のホルダーに差し込むと、もう片方の手も壁に留められた。

「池上くん…?ごめん、ごめんってば」

「駄目。許さないよ」

両手を壁に固定されたまま、池上くんは私の唇を奪った。

軟らかく食むように口付けられて、その気持ちよさにされるがままになってしまう。

「はるか、すっごく可愛い」

はぁはぁと息を荒げてる私に、満足そうに目を細めると首筋に顔を埋めて、さっきマークつけた辺りをペロッと舐めた。

「あっ!!」

思わず洩らした声が浴室で反響してしまい、恥ずかしくて顔を背ける。

「いい声。すげぇそそる」

首筋から鎖骨をたどり、胸の谷間に舌を差し込むと、レロレロと出し入れする。

「やぁ…何か変態っぽいよ」

「誰かさんがタオル巻いてくるからしょうがないんだけど」

上目遣いで私を見て、意地悪な笑みを浮かべる。

しょうがない、なんて嘘だ。絶対楽しんでる…!!

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