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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

「どこか座ります?」

後ろから凭れられてるこの体勢が恥ずかしくて提案すれば

「いい。…落ち着くまで、あんまり動くな」

「動くと余計気持ち悪くなるかもね」

二人に言われると、動きようがないじゃない!?

大人しくしてると、あたしを抱き囲んでる腕の力が強くなった。

「倉田さん!?」

「あ、平谷課長!!ちょっと!!」

比呂子さんが大声で課長を呼び止めた。

え!?比呂子さん?

「何…どうした?倉田?」

課長があたしと倉田さんを見た。

出来れば…最後くらい、こんな状態じゃなく会いたかったのに!!

「助けてください…」

課長に懇願すると、あ…、と何か言いかけ

「倉田…大丈夫か?」

と、倉田さんの顔を覗き込んだ。

「…はい、何とか…」

倉田さんは呟くくらい小さな声で言うと、自分で立とうとして、あたしに体重をかけた。

「きゃっ…!!」

転びかけたあたしを、課長が支えてくれる。

抱き止めるくらい近くで支えられて、フワッと課長の整髪料の香りがした。

「大丈夫!?」

「はい、大丈夫です!!」

うわ…っ!!ドキドキする…っ!!

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