テキストサイズ

さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第3章 弐

「石澤さまがお訊ねになるのは、大方、花やさんのことでしょうねえ」
「判っているのなら、教えてくれ。何故、花やが閉まっているのだ? あれでは、まるで誰もおらぬようでは―」
 そこで、嘉門はハッとしたように内儀を見た。
「そう、なのか。花やの者たちはいずこかに行ってしまったのか?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ