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来世にて

第2章 前世

「楓や、どうも織田との戦にらちがあかん。これ以上長引くは互いの為にならん。」

楓の秘所に指を出し入れしながら道三は話しはじめる。

「ん‥なぜ‥いま‥あっ‥‥‥そのような‥‥おはなし‥を‥‥」

静まり返った部屋に、道三の低い声と、楓の秘所から出る水音が怪しく絡み合う。

「織田にとっても今川が控え、こちらにも武田に、朝倉にと隙を狙う諸国はごまんといる。」

道三は楓を弄んでいるとは思えない表情で話す。

「そこで近く織田と和睦をすることになる。和睦の印に織田の嫡男と帰蝶の縁組みをすることになるだろう。」

上気した楓の顔が正気に戻り、道三を見つめる。

「楓には筆頭の侍女として粉骨砕身してもらわねばならない。もちろん、年寄りはつけるがな。
楓の働きはここからじゃ。織田の主だった家臣の動きや性質を調べてもらいたい。」

「私が、で御座いますか。」

「おうよ。それが侍女の働きよ。男では探りきれぬものがある。」

「美濃ためになるならば」

楓は意思をもって、道三に言葉を返す。

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