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BL短編

第3章 手に入れたい

この状況をどうにかしようと、童貞なりに必死らしい。
思わずクスッと笑みが漏れた。

「薫、可愛いとこあるね。」
「はあああ!???何言ってんだよ!俺が、かわっ、かわ...っ?」

目を点にしながら、同時に照れる器用さに、僕はまた笑ってしまった。

「可愛いよ。」
頬に軽くキスをしてから、そう囁けば、もうこれ以上何を言っても真っ赤にはならないだろうというまで真っ赤になった。

「お前恥ずかしい奴だな。俺に可愛いとか、頭おかしいのかよ...?」

「頭おかしいから、こんなことしているのかもね。でも、そんな頭おかしい奴に気持ち良くされてる薫も、僕に頭おかしくされてるはずだよ。」

わざと声のトーンを落として、落ち込んだように伝え、手を縛る紐を解いてやる。

「お、れも...?」
「男に触られて気持ち良くなってるんだよ?普通は嫌がるものだけど、...嫌じゃないだろ?」

自由になった手をどうしたらいいのか分からない薫は、所在無さそうに手を空で戸惑うように動かし、やがて僕の手の上に重ねるように握った。


「嫌とかは、ない。」

たまらず僕は、重なった手に指を絡めて、そこにキスを落とした。

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