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BL短編

第3章 手に入れたい

「花村、あのさ。」
伝えようか迷っていたことを、寝ている花村に告げる。

「僕は、 きみが、欲しいみたいだ。」
想いを口にしたら、余計に欲しいという気持ちが増してしまって。

寝息を立てている花村の手に触れ、指紋をなぞったり、関節の骨ばった部分を撫でたり、手のひらの生命線を指でくすぐったりしているうちに、裸の花村が見てみたくなってしまった。

「さすがに、まずいよな...」

机に突っ伏す花村の体を、椅子にもたれるように体勢を変えて、オレンジジュースを右手に持つ。

数秒見つめたあと僕は花村の頭に左手を回しキスをした。
そのまま冷えた缶を花村の手に合わせると、ぱちと花村が目を覚ました。

「ん!?ふ!??」
目を開いた視界に僕がいて、キスしてるって、花村からしたらどんな気分なんだろう。

僕は花村を見ないまま、花村の口の中へ舌をねじ込む。
逃げ惑う花村の舌を絡めとると、僕は夢中で花村の舌の感触を追い続けた。

どちらの唾液かもわからないほど、キスし続けた頃、満足した僕は花村を開放した。

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