
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第11章 ~変わってゆく日々~
ネットで知った知識、元は海外のもので日本人が使うと滑稽でしかない。
どんなに愛が昂っても、その気持ちを口にするのは躊躇われる。
ことさら。こんな状況だと……
言うなれば、女性はそれでも訊きたいという事も知っているんだけど。
恋愛初心者の俺にはちょっと難題だ。
「愛してる、お兄ちゃん?」
「だから……訊くなって」
さっきの流れだったら言えてたかも
知れないが、やっぱり今は無理だ。
「んぅ……っ、ハァ、わたしは……愛してるよお兄ちゃん」
キスの合間に満悦の笑みで凛音は言う。
俺だって……そう言い掛けそうになるも、やはり言葉を呑んでしまう。
もしかしたら俺が親父譲りの時代遅れで、昔ながらの性格だからかも知れない。
最近の男子は平気で言うかも。
ふっと、悪友のふたりを思い出す。
あいつらは躊躇うことなく囁きそうだ。
────ある意味スイッチって大事かもな。
