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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

「返事は?」
「うん。もう死ぬなんて言わない」
 沙絢が頷くと、男は優しい笑顔になった。
「良い子だ」
 大きな手でわしわしと髪の毛をかき回されているのは、恐らく頭を撫でているつもりなのだろう。
 まるで本当にお兄さんみたいだ。もしお兄さんがいたら、こんな風に優しく頭を撫でてくれるのかなとぼんやり考える。

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