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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

 一瞬の沈黙があった。
「俺がいる」
「え?」
 突如として放たれた短いひと言の意味を沙絢は図りかねた。
「誰もいないなんて、そんな淋しいことを言うなよ。お前には俺がいる。俺はお前が死んだら、絶対に哀しむからな。だから、これからは死ぬなんて馬鹿なことは絶対に考えるな」
 沙絢の返事がないのが気に入らないのか、男が険しい顔をする。

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