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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第1章 SideⅠ(光樹(みつき))~あたし、明日、死ぬんだ~

 一度目ではよく判らなかったけれど、その声は紛れもなく若い女のものだった。
 光樹はますます焦る。何で、一人暮らしのはずの婆さんの住まいに若い女がいるんだ? それも孫だっていうんならともかく、この女は婆さんは二人共に死んだって言ってるじゃないか。
「あ、それは」
 自分でも情けないほど声が裏返ってしまう。ええい、二年も同じことを繰り返してきて、いまだに老婆一人うまく騙せないとは。

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