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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第5章 SideⅤ(光樹)~誤解~

 互いの生い立ちを知ったことで、また理解を深め合えたと彼は思えて嬉しかった。彼が高校時代に受けた壮絶な苛めについても偏見を持つことなく真摯に耳を傾け、彼のことを思い泣いてくれさえしたのだ。
 その直後、彼女はまた家族連れを羨ましそうに眺めていた。幼い子どもを連れた夫婦、家族の幸せを絵に描いたようなその姿を見つめるまなざしには強い憧憬が宿っていた。

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