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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 それから一時間半後、沙絢はコーポラスの前で光樹の車を降りた。階段を転がり落ちた沙絢に光樹はもう何もしようとはしなかった。
―痛い、痛い。
 右脚をくじいたらしく、すすり泣く沙絢を何かに堪えるような眼で見つめていた。そのときにはもう別人のように凶暴だった彼は消え、いつもの穏やかな優しい彼に戻っていた。

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