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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

「光樹さん、もう今日は真っすぐ帰るのよね」
 道の両側には暖簾を降ろした居酒屋や小さな場末のバーやスナックといった小店が軒を連ねている。
 夜になれば灯りがついて多少なりとも華やかになるのだろうけれども、まだ午後三時を回ったばかりで、うらぶれた下町といった雰囲気を拭えない。
 何故、こんな道を通るのかと沙絢は一瞬、訝しく思ったが、光樹であれば近道もよく知っているだろうと自分を納得させた。

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