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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第3章 SideⅢ(沙絢)~Merry go round~

「お前も察しているだろうが、俺はオレオレ詐欺をずっとやってた。罪のないお年寄りから孫だ息子だと騙って金を巻き上げてた。そんなことを繰り返している卑劣な屑のような男だよ。でも、丁度、お前に間違って電話をかけた夜、組織は抜けた」
「お兄さん―」
 自らに唾棄するような物言いは彼にはふさわしくない。沙絢は哀しくなって、彼に何か言おうとしたが、彼はそれを制した。

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