君に恋した冬
第7章 大事なもの
ついでだからとメイクまでしてもらう事になり
鏡に写った由梨はまるで別人のように生まれ変わっていた
「へぇー…すごいですね。こんなに変わるもんなんだ…」
我ながら感心と言わんばかりにオーナーは
由梨を見て溜め息を洩らしながら言う
「すごいっしょ。俺の見る目」
アキラも満足そうに由梨を見て言う
長かった前髪をアシメ調に切り
全体的に重かったのをかなり梳いて
腰上まで切ってもらった
真っ黒だった色を少し茶色に染めて
アイロンでふんわり内巻きに仕上げてもらった
メイクは由梨らしい薄めのまま
由梨も鏡を見て、これは自分じゃ出来ない…と
どこか他人事の様に呆然と眺める
「由梨、可愛くなった」
その一言が嬉しくて、ぱあっと笑顔で
『ありがとう』
と答えると、アキラもオーナーも
どこか面食らった顔をして、
「やっぱ、すげぇ変わり様だな…」
と呟いた
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