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陽だまりの仮面 -嘘-

第13章 失恋

あの時。


自分の中で盛り上がったのは、確か。

本をあたしのために選んでくれて。

あたしのためにプレゼントしてくれて。

すっごくすっごく嬉しくて仕方がなくて、あたしの中で一気に盛り上がったのは、確か。




――で、結果、見事玉砕。




こっぱに砕かれてしまったんだけれど…




砕かれて、初めてそこで気付いた事がある。

それまでは、そんな事ない!なんて思ってたけど


違った。




あたし………



どこかで少し自惚れが入ってた。



花木君は、“うん”って言うって。

あたしの告白を受け入れるって、心のどこかで思ってたんだ……。



だから、“好きじゃない”って言われた瞬間


悲しみより何より、あたしの頭に浮かんだ言葉は



そっか…


でもなく


やっぱりか…


でもなく








嘘……







だったんだ。




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