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陽だまりの仮面 -嘘-

第13章 失恋

歩きながら、まるで電車の接続部分のように繋がれる花木君とあたしの手を見つめていたけれど


チラッと後ろ姿の花木君の背中に視線を流す。



……見慣れた大きな背中。



学校の帰り道、自転車の後ろに乗ってこの背中に頬をくっつけて帰りながら


密かに、背中から伝う花木君の





トクン・トクン・トクン……―――





規則正しい鼓動に目を綴じて、耳を澄ましてた。


背中にくっついてるから当たり前かもだけれど

それでも、直ぐそこに花木君が居るんだって鼓動が証のように思えて。

その鼓動を感じてると、何だか花木君と一体になれたような気がして、何だか嬉しかった。







―――――でも……。








今は……






あたしと花木君の距離は1メートルにも満たないのに








もんのすごく、遠くに感じるよ………






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