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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

「手、痛かった?」


首を傾げ問う橘に、黙って首を左右に振って見せると


「そっか。良かった」


……いやいや。

良かったって思うなら拘束なんてすんなよ、ドアホ。


なんてツッコミ所満載な言葉を吐く橘。

昨日から、一体こいつは何なんだろうか。

扉ドンしてみたり、今日は図書室に鍵を掛けて拘束してみたり。




「あの……」



「ん?なぁに?」



「何…で?」



「何が?」



「何で、こんな事してるの?」



「え?」



「何でこんな事したの?鍵掛けてみたり口塞いでみたり…

何で?」



心底思う素朴な疑問を橘へ投げ掛けてみた。

だって、意味が分からないんだもんよ。

そもそも、こいつの事昨日知ったくらいだし。

一体、マジで何のためなわけ?




「そんな事も分かんないの?」




へ?




「何で俺がこんな事してるか、分かんない?

何で鍵を掛けたのか、分かんない?




琉愛ちゃんが悪いんじゃん」






――――――はっ?





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