
陽だまりの仮面 -嘘-
第8章 夕陽と泪味 ②
ガラッ――…
図書室のドアを開けた途端、鼻腔を抜ける本の香り。
随分昔。
凄く勇気を出して1度花木君に聞いてみた事がある。
『は、花木君はどんな香りが好き?!』
『本』
『………ほ…ん……??』
その時、約3ヶ月。
毎日図書室に籠もっては花木君が好きだという“本の香り”を自分も好きになりたくて頑張った記憶がふっと蘇り
「ふふっ」
笑いが零れる。
普段、読書なんてほど遠いあたしが本の香りなんて良さが分かるわけなんて到底なくて。
ほんの少しカビ臭いような何とも言えない匂い。
それくらいにしか思えなくて。
それでも、花木君の好きな“本の香り”を共有したくって
無駄に本をパラパラ捲ってみては嗅覚を最大限生かしてみたりしたっけ。
で、結局。
あまりに色々匂い過ぎて気分が悪くなって、断念。
今思い出すと、何気に気持ち悪い事やってたなぁ……
と、自分自身にドン引き。
図書室のドアを開けた途端、鼻腔を抜ける本の香り。
随分昔。
凄く勇気を出して1度花木君に聞いてみた事がある。
『は、花木君はどんな香りが好き?!』
『本』
『………ほ…ん……??』
その時、約3ヶ月。
毎日図書室に籠もっては花木君が好きだという“本の香り”を自分も好きになりたくて頑張った記憶がふっと蘇り
「ふふっ」
笑いが零れる。
普段、読書なんてほど遠いあたしが本の香りなんて良さが分かるわけなんて到底なくて。
ほんの少しカビ臭いような何とも言えない匂い。
それくらいにしか思えなくて。
それでも、花木君の好きな“本の香り”を共有したくって
無駄に本をパラパラ捲ってみては嗅覚を最大限生かしてみたりしたっけ。
で、結局。
あまりに色々匂い過ぎて気分が悪くなって、断念。
今思い出すと、何気に気持ち悪い事やってたなぁ……
と、自分自身にドン引き。
