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陽だまりの仮面 -嘘-

第7章 夕陽と泪味

小さく、静かに音を立てながら流れる川の際にある

本当に小さな小さな公園。

周りはアスファルトだけれど、そこだけは砂地で。

小さなベンチと、数個のタイヤ。

大中小の鉄棒。

小さな砂場。



ほんと、小さな誰も居ない…

というか、真冬だし、山間はオレンジ色に染まりつつある夕方だから当たり前かもしれないけれど

誰も居ない公園のベンチに2人座って



「………。」


「………。」



またもや、ここでも無言。


何か話さなきゃと思いながら、頭を捻らせるけれど



……何だろう。


さっきまでの、花木君の後ろに乗ってて何か話さなきゃと焦ってるような気持ちじゃぁなくて。


話さなくても、今、この空間を愉しみたいな…


なんて思う自分も居たりして。



結局



「………。」


「………。」



変わらず、無言。




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