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秘密の約束

第23章 イライラ

「かほちゃん…




産むって…。」

そう報告された瞬間、私はぽろぽろと涙を流した。

「よかった…。うっ…ほんとによかったぁ…。」

中絶という選択をしなかったことに私は安心した。

「でも、結局相手は?」

「どちらにしろ、一樹も父親になるらしい。2人とも、2人で生きていく道を選んだんだよ。」

「そっかぁ。」

「志穂があの時病院に連れていかなかったら、きっとかほちゃんの決断も違うものになってたと思うよ。」

そう言って、先生は私が泣き止むまでずっと抱きしめていてくれた。

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