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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第13章 山茶花~さざんか~ 其の参  

 安平太の言うように、今はひたすら養生に専念し、一日も早く元のように動けるようにならなくては。いや、せめて、自分一人で歩くことくらいはできるようにならなければ。
 いつしか、夕陽は落ち、庭には薄い宵闇が垂れ込め始めていた。
 曽太郞は庭で聞こえ始めた虫の音色に耳を傾けながら、直に深い眠りに落ちていった。

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