
やっと、やっと…
第14章 自分を大切にするということ
外は薄暗く肌寒くなっていた
小さな公園に屋根付きのベンチがある
「話があるの」
ベンチに座ってすぐに
私は、はっきりと言った
「ん?」
隣に座る圭介は低い声で問いかけた
「あのね、もう、、やめない?
もう別れたいの」
今までの私とは全く違う
すんなりと自分の気持ちが言えた
「は?」
圭介が苛立っているのがわかる
それでも私は続けた
「もう、我慢したくないの
いままでしてきたことも、本当は嫌だった
全部我慢してたの」
震える声で伝えた
圭介は何も言わない
「・・・ねえ
お願い、別れたいの」
しばらく間を置いて圭介は私の手を握る
優しく包み込むように
「我慢、してたんだな・・・」
「え・・・?」
驚くほど優しく
静かな声だった
