
やっと、やっと…
第13章 命
通話時間は3分程度
私が話した言葉はそのうち少しだけ
それだけなのに、姉は分かってくれたようだった
私が何か思い詰めていること
悩んでいること
本当に、私は恵まれている
友達も、家族も
みんな私を大切に思ってくれている
そう感じることができた
涙が溢れて止まらなかった
姉と電話をしてから約30分
姉が家に来た
「ただいまー」
私は階段を下りてリビングへ向かう
「おかえり、お姉ちゃん」
「っ、唯・・・」
私の泣きはらした目を見て
声を詰まらせる
姉の手にはドラックストアの袋があった
「これ、買ってきたから
まずは検査しておいで」
簡易的な妊娠検査薬を買ってくれていた
姉はいつも通りの優しい表情で
私に言ってくれた
「ありがとう」
姉から検査薬を受け取り
トイレへ向かう
説明書を読みながら
思いを巡らせた
