やっと、やっと…
第13章 命
プルルルルル・・・・
三度目のコールの後、
『もしもし、唯ー?
どうしたー?』
相変わらずの優しい声
姉の声を聴くだけで心が落ち着いた
「あのね、相談したいことがあって・・・」
『うん?どうしたの?』
胸の音が聞こえるくらい大きくなっていた
呼吸も浅く、速くなる
「あの、あのね・・・」
なかなか言い出せない
だけど、話さないと・・・
「あの、生理がね、来ないの」
『・・・うん』
姉は少し間を置いて返事した
『心当たりがあるんでしょ?』
私の声の雰囲気や間から
何かを察知したんだろうか
姉はしっかりとした口調で答えた
『今日子供はパパに見ててもらうから
今から家に向かうから待ってて』
私が返事をする前に、
姉は私の家に、実家に来ると言ってくれた
「・・・っ、ありがとう」
これだけでも涙が出そうだった
『待っててね、大丈夫だから』
さっきよりも優しい声で
姉はなだめるように言ってくれた
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