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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「まさか、修明様、あなたが―」
 知らず語尾が震えた。
 翠華は、眼前の男を見つめた。穏やかな笑みを浮かべる、この物静かな男が砂漠の鷹―? あまたの罪なき隊商の人々を襲い、許しを乞うて逃げ回る最後の一人まで刃をふるって息の根を止めたという残忍な盗賊?
 翠華の脳裡を修明と出逢ってから今日までの様々な出来事が駆け巡る。

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