
仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~
足音は寝台の手前でふっと止んだ。しばらく静寂が辺りを満たした。翠華は身じろぎもできず、呼吸さえはばかられるような沈黙に押し潰されそうだった。この静けさが永遠に続くかと思われた時、枕辺で再び人の動く気配が伝わってきた。思わず鼓動が速くなり、いっそう身体を強ばらせる。
だが、そのひとは一向に動き出す様子はななった。翠華がそっと薄眼を開いてみると、夜陰にぼんやりと人影が浮かび上がっていた。燭台を手にしているらしく、淡い光がそのひとの顔を照らし出している。
だが、そのひとは一向に動き出す様子はななった。翠華がそっと薄眼を開いてみると、夜陰にぼんやりと人影が浮かび上がっていた。燭台を手にしているらしく、淡い光がそのひとの顔を照らし出している。
