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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 翠華が修明の家に来てから、ひと月が経った頃のことだ。ある夜更け、寝室の扉が軋む音を耳にしたような気がして、翠華は目覚めた。耳を澄ませていると、ひそやかな足音が漆黒の闇の底の中、近づいてくる。慌てて眼を閉じ、翠華は我知らず寝台の中で身を固くしていた。

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