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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「良かろう。確かにその言葉、聞かせて貰った」
 男があくまでも静かな声音で応じると、首領が鼻白らんだ。男が更に続ける。
「それとも、まだ何か言うことがあるのか」
 それは沈着極まりない態度であったが、それだけに余計にその底に潜む危うさを窺わせた。男の態度には底知れぬ不気味さがある。身体全体から刃物ののような研ぎ澄まされた雰囲気が漂っており、彼がただ者ではないことを感じさせた。

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