テキストサイズ

秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第2章 禁断の恋

「そなたは強いな。早くに両親を失いながらも、逆境の中で前に進もうと努力してきた。与えられた王座に納まり、大臣どものおべっかばかりに囲まれて何も言えないでいる無能な予とは大違いだ。そなたを見ていると、夏に咲く向日葵を思い出すような気がする。太陽に向かって真っすぐに伸びてゆく大輪の花だ」
「―」
 明香は何も言えなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ