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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

「明日の朝、宮廷を去るが良い。今宵はここでゆるりと寝め。予は別の部屋に行くとしよう」
 王が立ち上がった。
 もう一度、名残を惜しむかのように明香を見てから、静かに背を向けた。
 大きな背中が遠ざかってゆく。
 明香の脳裡に一つの光景がまざまざと甦る。

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