テキストサイズ

秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 明香は王を平伏して迎え入れる。
 王はゆったりとした脚取りで部屋に入ってきた。
「明香」
 温かな手のひらが明香の頬を包み込んだ。両頬に大きな手のひらが触れ、挟み込んでそっと上向かされる。
 互いの呼吸すら聞こえてきそうなほど間近に、王の端整な貌が迫っていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ