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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 明香は泣きながら、残った柳尚宮に言った。
「柳尚宮(マーマ)さま、私は物ではございません。自分の意思など無関係に、あちらからこちらへと物のようにやり取りされるのは嫌でございます」
 柳尚宮は幾度も頷いた。
「さもあろう。そなたの気持ちはよう判る。だが、これは既に決まったこと。大妃さまより何より、主上がそなたを強くお望みなのだ」

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